秋祭りについて
神谷太刀宮神社氏神祭(秋祭り)とは
久美浜一区の秋祭りは、大いなる自然へ畏敬の念をいだきながら
地域安泰の願いや、収穫に対する田畑への感謝が込められた神聖な祭りです。
古くから久美浜一区は、神谷太刀宮神社でおこなわれるこの祭りを通して
家族や地域の絆を深めてきました。
魅力ある観光地域づくりにも大きな意味のある祭りとして、
この地域の誇りをみなさまにもご紹介します。
氏神祭前日夜 ー 「日和神楽」(宵宮)
祭り当日が良い日和でありますようにと願いを込めて、前日の夜、
太陽に見立てた赤い提灯を日和神楽に飾り付け、夜の町内を練り歩きます。
氏神祭当日 ー 「飾り太鼓台」(本宮)
早朝から神谷太刀宮の境内に各町内の太鼓台5台が集結し、
「空のせ(そらのせ)」「先高(さきだか)」などの技を披露し、
演技の出来栄えを競い合います。
演技奉納が終わると、神輿を先頭に太鼓台が続き、町内を巡航します。
太鼓台の紹介
太鼓台 ー『美城山(びじょうざん)』
<地区> … 西本町区・新町区
<はちまきの色> … 真榊の五色のうち 白
美城山という名の由来は、松倉城という山城にちなんだものといわれています。
この松倉城は安土桃山時代、西本町区にある久美浜小学校の裏山、天神山に築城された城で、細川氏の家臣の松井康之が統治していました。
太鼓のたたき方の特徴として、大撥を強くはっきりとたたくことはもちろんのこと、
小撥も力強くはっきりとたたくということです。
こうすることで担ぎ手が歩を進めやすくなり、太鼓台が力強く前に進むことができるのです。
太鼓台 ー『霧島山(きりしまやま)』
<地区> … 東本町区・新橋区
<はちまきの色> … 真榊の五色のうち 緑
現在(写真)の太鼓台は3代目で、大正10年に新調され黒漆が施され、
金具(総重量30kg)には純度の高い金箔が使われており、
90年以上が経過した今でも鮮やかに輝いています。
同時に「飾幕」は京都御所に張ってあった御幕と同じ生地を譲り受けて新調したものです。
なお、初代の太鼓台は「日和神楽」で、2代目は久美浜町海部地区の友重にて祭りに使用され現存しています。
<地区> … 土居区・仲町区・栄町区
<はちまきの色> … 真榊の五色のうち 桃
双葉山という名の由来は、久美浜の名家の、豪商で知られる稲葉家(土居区)と分家の東稲葉家(仲町区)の両稲葉家から名付けられたと伝わっています。
双葉山の太鼓台は、五台の中で唯一、たて棒を含め太鼓台のすべてに黒漆を施さず、白木の美しさを留める太鼓台です。また太鼓台に飾られる彫り物は、他の山に比べて数多く施されています。
久美浜駅前で演技披露を行うときと、宿に帰ってきた時に行う先高は、
「しゃくり太鼓」という特別なたたき方で、これに合わせ担ぎ手もしゃくるように歩きます。
太鼓台 ー『神楽山(かぐらやま)』
<地区> … 十楽区
<はちまきの色> … 真榊の五色のうち 赤
神楽山という名の由来は、明治の頃に各町内で太鼓台を出し喧嘩太鼓を行った折に、祭りの戦利品として持ち帰った「神楽」がその由来とされており、現在でも太鼓台倉に保存されています。
太鼓台は大正9年新調、部分修理はあるものの、現在も現役で使用しています。
神楽山で使用する太鼓は、他の山と比べて直径が最も長く、音も素晴らしいのです。
太鼓は最初の撥が左から出、例えたたき手が右利きであってもこれは変わりません。
両手による撥さばきが少なく、担ぎ手が歩きやすいように片手での撥さばきが多いのです。
<地区> … 向町区
<はちまきの色> … 真榊の五色のうち 紫
松江山という名の由来は、むかし向町区のあたりを「松の谷」であるとか「松ヶ崎」と呼んでいたようで、そこから松江山という名前を付けたと伝わっています。
松江山の太鼓台は「とんぼ」と呼ばれるたて棒が両側に1本ずつ付いており、
他の山よりたて棒が2本多いのが特徴です。
現在の太鼓台は昭和7年に新調した2代目です。
太鼓台 ー『双葉山(ふたばやま)』
太鼓台 ー『松江山(まつえざん)』